車に愛着があればあるほど、何らかのおしゃれを施したいと考えるドライバーの方は少なくないでしょう。以前は、お正月に「しめ縄」を飾った車を見ることもありました。上手くカスタマイズして自分だけの車を作ることができれば、それだけで運転時のテンションも上がるはずです。ただし、おしゃれをする際は事前に注意しなければ、法律違反に該当する危険性もあります。

フロントガラス付近にものを置くときは要注意

おしゃれや運転のモチベーションを上げるため、ぬいぐるみやフィギュアなどを車に置きたがる方もいるでしょう。ただし、そうした装飾品を置く場所には注意しなければなりません。道路交通法第55条第2項において、アイテムを設置する場所は以下のように定められています。

つまり、運転の妨げとなる可能性がある、フロントガラス付近へのぬいぐるみやフィギュアの設置は、法律違反に該当する可能性があるのです。もし、道路交通法第55条に抵触していると判断された場合、違反点数1点、反則金6000円などの罰則が科されてしまいます。

◎フロントガラス以外の場所も要注意
車ではフロントガラス以外でも、アイテムの設置には細心の注意を払わなければなりません。たとえば、運転手や助手席では視野の妨げとなるようなカーテンの設置は法律違反に該当する恐れがあるため、要注意です。すだれやブラインドについても、同様のことが言えます。

また、運転席からの視界を妨げるような大型のアイテムは、助手席に設置できません。テレビや棚を助手席に置いている場合は、上記で説明したような罰則を受けるリスクがあるでしょう。

その他、ステアリング・ダッシューボード内部に収納されているエアバッグが作動する際、邪魔になりそうなカー用品の設置も危険です。仮にエアバッグが作動した場合、それらのカー用品が吹き飛ぶケースが想定されます。

シール貼付NGの場所を知ろう

おしゃれなカー用品を飾る際は、その場所に注意する必要があると紹介しました。では、シールやステッカーについては自由に貼ることができるのか、気になる方は多いでしょう。

国土交通省により定められた道路運送車両の保安基準によると、以下のシール・ステッカーであればフロントガラスへ貼ることが許可されています。

・整備命令標章
・臨時検査合格標章
・故障ステッカー
・検査標章
・保険標章、共済標章又は保険・共除外標章
・公共の電波の受信のために前面ガラスに貼り付けるアンテナ
・塗装もしくは貼り付けの状態で、運転者が交通状況を確認するため必要な視野範囲において可視光線
　透過率70％以上を確保し、なおかつ視野を妨げる歪みがない透明なタイプ
・国土交通大臣又は地方運輸局長により指定されたもの

逆に言うと、上記以外のおしゃれなシールやステッカーについては、フロントガラスに貼ることができません。仮に貼ってしまった場合は、道路交通法違反として罰則を科せられるでしょう。

◎フロントガラス以外の場所も要注意
フロントガラスだけでなく、運転席、助手席両方のサイドミラーについても、同様の規制があります。そのため、おしゃれなシールやステッカーを貼ることはできません。ただし、盗難防止装置の役割を持つステッカーであれば、貼り付けが許可されています。貼り付ける場所には指定があり、ガラス下縁から100mm以下、ガラス開口部の後縁から125mm以下の位置でなければなりません。

◎シール・ステッカーを貼れる場所は？
シールやステッカーは、ボディ部分であれば貼り付けが可能です。また、リアウィンドウやリアクォーターガラス、後部座席の窓についても、視界を妨げない透明タイプのものであれば貼り付けても問題はありません。

いかがでしたか？　自分のお気に入りのぬいぐるみやフィギュア、便利なカー用品を設置すれば運転時のモチベーション向上が期待できますが、その結果として安全運転の妨げとなるようでは本末転倒です。今回紹介した内容を参考として、法律に触れない範囲で車をおしゃれに彩るようにしてください。