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立春(2/4頃)から春分(3/21頃)にかけては「春一番」とも呼ばれる強風が吹く時期となります。強風の際には普段以上に注意深く運転をする必要がありますが、同様にパーツの破損についても警戒する必要があるでしょう。特にドア部分のヒンジについては、強風によって壊れてしまうリスクを想定しなければなりません。そこで今回は、ヒンジが壊れた場合の影響と、その対処法について詳しく紹介します。
気温が上昇する3月から5月にかけては、北からの冷たい空気と南からの暖かい空気が衝突することで、低気圧が急速に発達します。この気象現象により生じるのが強風です。その強さは台風に匹敵する場合もあり、「春の嵐」「メイストーム」とも呼ばれています。強風のさらに上をいく「暴風」が吹くケースも見られるため、車の運転をする際には十分な注意を払う必要があるでしょう。
車が暴風に晒された際、故障するリスクが高くなる部位が「ドア」です。そしてその中でも、特に「ヒンジ」の状態についてはしっかり確認する必要があります。ヒンジとは、ドアに取り付けられている部品の呼称であり、少ない力によって扉を開ける蝶番の働きをすることが特徴です。ヒンジが機能することによって、ドアをスムーズに開けることが可能になります。
しかし、基本的にヒンジの耐久性はそこまで強くなく、強風などによって想定していない過度な力がかかると破損するリスクは否定できません。仮にヒンジが損傷した場合には、ドアを開ける際に「バキッ」という何かが折れたような音がするため、確認してみると良いでしょう。
◎ヒンジ破損により生じるトラブル
強風によって車のヒンジが損傷してしまった場合、もっとも懸念されるトラブルが「開き過ぎるドア」です。通常であればヒンジによってドアの可動範囲は制限されていますが、損傷していると際限なくドアが開いてしまうリスクがあります。そのため、油断していると駐車場などで隣接する車にドアをぶつけてしまう恐れがあるでしょう。特に子供の場合は勢いよくドアを開く傾向にあるため、より一層注意しなければなりません。
ヒンジが破損し、ドアが開き過ぎたり音が生じてしまったりする状態を放置するのは安全上避けるべきでしょう。できる限り早めの修理を検討するようにしてください。前述したように、開き過ぎるドアを放置していると、他車や人にぶつけてしまう恐れもあります。
強風などの原因によって、ヒンジが破損してしまった場合には、新品と交換する必要があります。ヒンジについては種類によって値段は上下しますが、基本的には数千円程度で入手できるため、そこまで経済的な打撃とはならないでしょう。しかし、ヒンジの取り付けを依頼する場合には、安くない費用が発生することを覚悟しなければなりません。
ヒンジ取り付けは、一般的にディーラーや整備工場で実施されます。各業者によって費用は異なりますが、2~3万円程度の出費になるでしょう。加えて、修理の際に板金が必要となるようなら、さらに1~2万円程度の費用が生じます。高い場合には5万円程度の修理費が発生してしまうため、家計を考えると躊躇する方も少なくないでしょう。
また、仮にヒンジだけでなく、ドア全体に破損が確認された場合には、より高額な修理費用を請求される可能性も否定できません。ドア全体の修理費用となると、10万円以上になるケースも想定されるため、その他の対処法を検討してみるのも良いでしょう。
◎乗り換えの検討
仮にヒンジの修理費用が想定よりも高額となり悩んでいるようなら、思い切って新車に乗り換えることも選択肢のひとつです。もちろん、現在の車が新車である場合には修理することをおすすめしますが、年季の入った車の場合はヒンジ以外のパーツも劣化が進んでいる恐れがあります。破損したパーツをその度に修理していると、非常に高額な費用が生じてしまうことは避けられないため、新車への乗り換えを検討してみてください。
いかがでしたか? 非常に強い風が吹く春は、車の運転だけでなくパーツの状態についてもしっかり注意する必要があります。もしヒンジの損傷が確認された場合には、不測の事態を回避するためにも、なるべく早く対策を講じる必要があるでしょう。