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すっかり暖かくなり、お出かけする人が多い行楽シーズンになりました。ただ、お出かけする人が多ければ、それだけ事故に遭遇するリスクは高まるというもの。車の運転中はあらゆる点に注意する必要がありますが、とくに警戒すべきなのが自転車です。5月は経済産業省により自転車月間と定められており、自転車月間推進協議会を中心に「正しい自転車の乗り方」を学べるイベントが開催されるなど、さまざまな取り組みが実施されています。これを機会に、自転車への注意点を覚えていきましょう。
警察庁の発表によれば、平成29年に発生した車と自転車の事故は7万6,036件に上ることが明らかになりました。これは全交通事故の中の約2割を占めており、前年度より増加しているという事実も判明しています。
また、事故の原因としてもっとも多いのが、全体の半数以上の数字を占める「出合い頭の衝突(4万875件)」です。出合い頭の衝突が起こる理由として、事故を起こした車や自転車は、双方に安全の確認不足や信号無視などの法令違反があるケースが見受けられます。
中でも近年顕著なのが、自転車による法令違反。警察庁が調査したところ、自転車乗車中に死亡事故を起こした人の8割に法令違反があったことがわかっています。つまり、車を運転している際には、自転車の多くが法令違反に触れる走行をしがちということを頭に入れておかなければならないのです。
自転車は車とは違い、誰でも気軽に乗ることができます。ただ、道路交通法が改正され、自転車は基本的に車道を走らなければいけないというルールがより明確化されたため、不安定な運転をしがちな高齢者や小さな子供でも車道を走るようになりました。そのため、車の運転者は運転中、常に自転車に対して強い警戒をする必要があります。
自転車に対してとくに注意しないといけないのが「不規則な動き」です。自転車は合図なしに進路を変更したり、急に歩道から車道へ飛び出してきたりするケースが多く、車側がとっさの対応をとれないという問題があります。
こうした問題に対処し事故を回避するため、日頃から以下のような運転を心がけていきましょう。
◎自転車の不規則な動きに対応する運転
運転をしているとき、前方に自転車を発見したらその先の状況を注視する必要があります。通行人や障害物がある場合、急な進路変更をする可能性が高いからです。自転車が歩道を走行している場合であっても、同様に警戒する必要があり、とくにガードレールの切れ目などではあらかじめ車のスピードを落とすなどの対応が必要になるでしょう。
◎自転車の飛び出しに対応する運転
上記で説明したように、車と自転車は出合い頭の事故が非常に多い傾向があります。こうした事故を防ぐためには、予測能力を高める必要があります。たとえば住宅街で脇道や十字路があるような道を通る場合は、常に自転車が飛び出してくるケースを想定し、徐行しながらブレーキペダルに足を乗せておくなどしておきましょう。
◎自転車の不注意に対応する運転
自転車は「車は止まってくれるもの」という意識があり、車の動きを軽視しがちです。交差点などで、安全確認をせずに飛び出してくる自転車にヒヤリとしたことがある人も多いのではないでしょうか。交差点を曲がる際には前方と後方に自転車がいないかをよく確認し、巻き込まないよう注意しましょう。
いかがでしたか?自転車は手軽に乗れる分、正しい交通ルールやマナーを守れていないケースが目立ちます。加えて無防備なため、注意を怠ると重大な事故につながる恐れがあります。たとえ自転車側の不注意が原因であっても、事故が起きれば車側に大きな責任が課せられることを肝に銘じ、日頃から自転車の動きを気にする習慣をつけましょう。