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ドライバーが操作しなくても、安全な走行が期待できる自動運転。最近ではCMで目にすることも増え、少しずつ身近な存在になりつつあります。そこで今回は、日々進歩する自動運転技術に関して最新情報をまとめました。
自動運転レベルとは、本来ドライバーが行う運転操作や状況判断を、どれだけ機械が対応できるか表すものです。自動運転レベルは0〜5までの6段階に分けられますが、0は完全な手動運転に相当します。そのため、自動運転といえるのは1~5の5段階といえるでしょう。
この自動運転レベルは、研究者や技術者などで構成される「米国自動車技術会(SAE)」が設定した基準であり、数字が増えるに従い運転支援・自動運転の度合いも上昇します。
◎自動運転レベル1(運転支援)
自動運転の初期段階であり「アクセル・ブレーキ操作における加速・減速の制御」や「ハンドル操作による左右の制御」に関してどちらかの操作補助をシステムが行います。自動運転レベル1に該当するものとして「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」「衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)」「車線維持支援(LKAS)」などが挙げられます。
衝突被害軽減ブレーキは、新型の国産車では装着が義務付けられており、軽トラックを除く継続生産車は2025年12月から、軽トラックは2027年9月から装着が義務付けられました。また、2023年には、総重量3.5トンを超えるトラックやバスなどの大型車を対象に装着の義務化が決定。新型車は2025年9月から、継続生産車は2028年9月から適用開始されます。
◎自動運転レベル2(部分運転自動化)
レベル1では「アクセル・ブレーキ」か「ハンドル操作」のどちらかのみの制御だったのに対し、レベル2では両方をシステムがサポートします。ただし、機能としてはあくまで運転支援機能となるのが特徴であり、車の制御はドライバーが責任を負わなければなりません。
すでに一部の市販車には自動運転レベル2を満たすシステムが搭載されています。一定条件下では、ドライバーが運転中にハンドルから手を離す「ハンズオフ運転」ができることで注目されましたが、あくまで運転支援機能のため、即座にハンドルを握られる状況を堅持しておかなければなりません。
◎自動運転レベル3(条件付運転自動化)
レベル3では、条件付きではあるものの全ての運転操作をシステムが担うようになります。ハンズオフのみならず「アイズオフ(目を前方から離す)運転」も可能となり、運転の主体がドライバーからシステムへと移ります。ただし、エラーなどでシステムによる運転が困難だと判断された場合には、手動運転をしなければいけません。日本では2020年4月の法改正によって、レベル3のシステムを搭載した車が公道を走行可能になり、2021年には市販車も登場しました。
◎自動運転レベル4(高度運転自動化)
レベル4では、限定領域内であれば全運転操作をシステム側が担うことが可能です。レベル3との違いとして、仮にシステムによる操作が困難となった場合でも、ドライバーの介入はほとんど必要ありません。一部の国では導入されているものの、まだ発展途上の技術であり、世界各国で実証実験が進められています。
日本では自動運転レベル4で公道の走行を認める新しい制度が2023年4月1日から導入されました。まだ、自動運転レベル4が搭載された一般車は販売されていませんが、着実に実用化に向けて動いているといえるでしょう。
◎自動運転レベル5(完全運転自動化)
自動運転レベルの中でもっとも高度であるレベル5は、ありとあらゆる状況においてドライバーを必要としない走行を目指すものになります。このシステムでは、あらゆる条件に限定されず全てが自動化されるのが大きな特徴です。しかし、現在の技術水準では実用化は難しいとされ、一部では「実現不可能」という声もあります。自動運転レベル4を実現したのちに、少しずつ実現が期待されるシステムといえます。
レベル1についてはすでに標準化が進行しており、多くの一般車に搭載されていることからドライバーにとっても慣れ親しんだシステムといえるでしょう。また、レベル2についても普及しつつあり、レベル1と同様に一般的となることが予想されます。
一方で、自動運転レベル3以降のシステムについては限定的であったりテスト段階であったりするため、いまだ一般的とはいいにくい状況です。しかし、徐々に法整備や実証実験が進められていることから、普及が進んでいくことが期待されます。
レベル5に関しては、世界各国で法整備に向けた議論が重ねられている段階であり、実際に自動車に搭載されるのはまだ先となるでしょう。
いかがでしたか? より高度な自動運転システムが搭載されれば、ドライバーが自分で操作する範囲がどんどん少なくなるため、車移動の負担軽減につながるのは間違いありません。技術の進歩や法整備など自動運転システムにまつわる状況は常に変わるため、気になる方は常に情報をチェックしておきましょう。