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1982年、厚生労働省は9月9日を「救急の日」と定めました。交通事故が発生した際、被害者・加害者関係なく、あなたは負傷者を救護する準備はできていますか?いざその場に立ったとき、何をすればいいかわからずパニックになってしまう方は多いかもしれません。救急の日を機に、負傷者救護の適切な流れについて覚えておきましょう。
交通事故が発生した際、まず何よりも優先しなければならないのが負傷者の「救護」です。これは道路交通法にて下記のように定められています。
このように、被害者側であったとしても加害者が負傷していた場合は救護する義務があります。
もちろん、加害者側であればなおさらです。事故を起こしたにもかかわらず、負傷者を救護することなくその場から立ち去った場合は、いわゆる「ひき逃げ」と判断され、5年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が課せられます。法務省「犯罪白書(平成28年版)」によれば、ひき逃げによる死亡事故の検挙率は95.3%、重傷事故の場合は検挙率71.5%と非常に高く、基本的に警察から逃げ切ることはできません。事故を起こしてしまった以上、しっかりと負傷者を救護して救える命を救っていくことが、法律で定められた1人の人間としての義務なのです。
実際に交通事故に遭遇してしまった場合、どのような行動をとるのが正解なのでしょうか。ここでは、交通事故後の理想的な流れについて説明していきます。
事故が起きてしまった際、まず何よりも優先するべきは負傷者がいるかどうかの確認です。負傷者がいる場合には、負傷の程度に関係なく必ず救急車を呼ぶようにしましょう。ただ、負傷者の救護と救急車要請を1人で行うのは難しいため、周囲に助けを求めることも大切です。
負傷者について確認したら、さらなる事故の誘発を防ぐため、安全確保を迅速に行う必要があります。ハザードランプを点けて事故車両を路肩に寄せるなど、とにかく安全な場所に車を移動させましょう。もしも車が壊れて動かせない場合は、周りの人たちの力を借りて手動で車を動かす必要があります。
救急車要請と安全確保を終えたら再び負傷者のところへ戻り、可能なレベルで応急処置を行いましょう。救急車は要請してすぐに来るわけではありません。救急車到着までに行う応急処置が、負傷者の命を救う可能性は大いにあります。日頃から消防署などで行われている講習会に参加して心臓マッサージの方法などを学んでおくと、いざというときに役立ちます。
負傷者救護同様、道路交通法第72条で義務付けられているのが警察への届け出です。届け出を行わないと、罪に問われる可能性があるのと同時に、交通事故証明書が発行されず保険金が受け取れなくなる可能性があります。事故を起こした際は、必ず警察へ連絡するようにしましょう。
いかがでしたか? 交通事故に遭遇してしまうと、誰しも気が動転してしまうかもしれませんが、そういうときこそ冷静さを保ち、正しい救護活動を行うことが大事です。もちろん事故を起こさないのが1番ですが、万が一起きてしまったときは本コラムの内容を参考に落ち着いて適切な対応をとるようにしてくださいね。