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1~3月は年度末に向けて新車を購入する方が増える時期ですが、その際覚えておきたいのが「慣らし運転」の必要性です。近年では、車製造の技術進歩によって、慣らし運転の必要性は低下していますが、それでも新車を安心して利用するうえでは慣らし運転をしておくに越したことはありません。そこで今回は、慣らし運転の重要性について紹介します。
1年の中でも、春は新車を購入する方が増える季節です。多くの自動車メーカーは3月に決算期を迎えるため、少しでも多くの販売実績を得るべく、車の大幅値下げやサービスを実施する傾向にあります。そのため、希望の車を他の時期に比べてより安く購入できるチャンスでもあります。また、決算期の3月だけでなく、直前の2月も同様に新車の値下げが期待される時期であることを覚えておきましょう。
注意点として、車の購入をする際には多くの手続きや点検が発生します。そのため、納車までにある程度の時間がかかります。業界の繁忙期であることを見越して早めに新車購入を済ませておくことをおすすめします。特に値引きを希望する場合は、1月から新車購入の交渉を開始するようにしましょう。
新車を購入した際、必ず実施しておきたいのが慣らし運転です。新車をいきなりフル稼働させないことで、各パーツの急激な摩耗及び故障を防ぎ、車が備えている本来の性能を発揮させるのが、慣らし運転の目的となります。
テクノロジーの進歩により、自動車開発の精度は格段に上がっているため、かつてと比べれば慣らし運転の必要性は低下していると言えるでしょう。実際、最近では慣らし運転をまったく行わないドライバーも存在します。ただし、慣らし運転が必要な車種もいくつか存在するため、実施しておいたほうが不安なく新車を運転できるでしょう。
◎慣らし運転の方法
慣らし運転の具体的な方法として、まず走行距離が500km程度に到達するまでの期間は、エンジンを始動させてから1分程度の暖機運転(車に負荷のかからない運転)を実施します。また、中古車ではなく新車であれば、2,000km程度の走行距離に到達するまでは急発進、急ブレーキなどの激しい運転操作は控えるようにしましょう。
慣らし運転のコツとして、500km程度の走行距離に到達するまでは、エンジンの回転数をレッドゾーンの半分程度に抑えることを意識してみてください。これにより、エンジン及びトランスミッションなどに過度な負荷を与えずに馴染ませることが可能です。
500km程度まで走行距離が到達したら、だいたい100km走行するごとに500回転ずつリミットを引き上げます。エンジンやトランスミッションなどのパーツは、走行距離1000km程度で慣らし期間が終了と考えて良いでしょう。
注意点として、慣らし運転の期間や方法は各自動車メーカーや車種により異なります。自分の車の種類をしっかり確認したうえで、慣らし運転の指示があるようであれば従ってください。もちろん、慣らし運転が完了した後でも定期的なメンテナンスは必要です。
◎慣らし運転を行う場所
慣らし運転を行う場所には、大きく分けて高速道路と一般道の2つがあります。それぞれメリット、デメリットがあるので、それを踏まえて道路を選ぶようにしてください。
・高速道路での慣らし運転
高速道路で慣らし運転を行う大きなメリットとして、長距離を走行するため特にエンジン部分については短時間で慣らしが完了します。また、信号などがなく、渋滞に巻き込まれない限りは一定速度での走行が可能なため、エンジンに過度な負荷がかからない点も魅力的です。一方で、ブレーキやトランスミッションについては、慣らしが不十分になってしまうケースも想定されます。
・一般道での慣らし運転
一般道での慣らし運転の場合、あらゆる操作を幅広くこなす必要があるため、車の各パーツを満遍なく慣らすことが可能です。ただし、高速道路ほどの走行距離は稼げないので、慣らし運転完了まで時間がかかることは、覚悟しておく必要があるでしょう。
いかがでしたか? 現在の車は慣らし運転が必ずしも求められるわけではありませんが、少しでも安全性を高めたいのであれば、できる限り行っておくことをおすすめします。また、車だけでなくタイヤやブレーキパッドを新品にした場合も、慣らし運転が必要となるケースがあるため、各メーカーの指示をしっかり確認しておくようにしましょう。