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1985年、日本蓄電池工業会は12月12日を「カーバッテリーの日」と定めました(1991年に「バッテリーの日」に改称)。バッテリーには寿命があり、いつかは必ず上がってしまう消耗品ですが、寒さが厳しくなり劣化が速まるこれからの季節は、特に注意が必要です。バッテリーが上がる原因や、上がってしまったときの対処法について、このコラムで確認しておきましょう。
車のバッテリーが上がってしまう原因はさまざまです。ここでは主だった原因と、対策について紹介していきます。
◎電装品の過多な使用
バッテリーが上がってしまう原因としてまず挙げられるのが、「電装品の使い過ぎ」です。発電量の許容値を電気負荷が上回り続けると、バッテリーが劣化して上がりやすくなってしまいます。一般社団法人JAFの調査によれば、車の電気を消費する電装品トップ5は以下の通りです。
1位のエアコンは、これからの寒い時期に暖房を使用することを考えると、特に電気消費量に気をつける必要があるでしょう。また、渋滞に巻き込まれるなどしてエンジンの回転数が低下しているときにエアコンやライトを使用しすぎていると、バッテリーにかかる負荷が上がってしまいます。状況に応じて、上記原因となるようなものの使用は可能な限り抑えるようにしましょう。
◎過充電
すでに十分な電力を蓄えているバッテリーに、必要以上の電力を流し込む「過充電」は、劣化を招きやすくする原因です。過充電の状態になると、最悪バッテリーが使い物にならなくなる恐れがあるため、充電時は常に適度な量を心がけるようにしましょう。
◎車の放置
車に長い間乗らず放置していると、バッテリーは少しずつ自己放電をしていくため、知らぬ間に上がってしまっている可能性があります。また、バッテリーを充電することなく放置していると、硫酸塩の結晶が極板に付着し通電不能となる「サルフェーション」という現象が起こる可能性も。車に乗らない間でも、電圧計やパワープローブなどを使用したバッテリーのチェックはこまめに行うようにしましょう。
どんなに注意をしていても、車の走行中にバッテリーが上がってしまう可能性はあるでしょう。バッテリーが上がるとエンジンはかからなくなり、最悪の場合その場で立ち往生することになってしまいます。
大切なのは、そのときに正しい対処ができるかです。バッテリーが上がってしまった際、もっとも有効な手段は救援車を呼び、ブースターケーブルを使用すること。救援車は近くを走る車に助けを求めるか、家族や友人に連絡するなどしましょう。
ブースターケーブルは普段使用する機会が少ないため、使い方を知らない人も少なくないはず。ブースターケーブルはバッテリーが上がってしまった際の解決手段として非常に重宝するため、この機会に使い方を覚えておきましょう。
救援車をすぐに準備できるのであれば、この方法がもっとも効果的です。ただし、なかなか救援車が準備できない場合も十分に考えられます。そんなときは近くにガソリンスタンドやカー用品店がないか確認し、ある場合はそこでバッテリーを新品に交換するといいでしょう。新品のバッテリーは、1~3万円ほどで購入できます。もしも近くにそうした店舗が1軒もなければ、ロードサービスに救助の依頼を出してください。
いかがでしたか? 走行中にバッテリーが上がってしまうと、さまざまな対処をする必要があり、時間と手間がかかってしまいます。できる限りそうした事態を避けるため、日ごろからこまめなバッテリーのチェックを心がけることが大切です。また、バッテリーはだいたい3~4年が寿命といわれています。時期を確認して取り換えるようにしましょう。