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予測不能な自然災害である「地震」。もし運転をしている最中に地震が起きたら、ドライバーはどのような行動をとるべきでしょうか?地震発生時の正しい対応や運転中の避難方法など、万が一に備えて押さえておきたいポイントをまとめました。
地震が発生し、車の揺れや道路の状況に異変を感じたら、慌てずに徐々に速度を落とし、周囲の交通状況を確認しながら安全な場所に車を停止させましょう。この際、後続車や周囲の車両と衝突する恐れがあるため、急ブレーキは禁物です。ウインカーやハザードランプを使い、周囲に自車の動きを知らせてください。
◎停車させる場所
停車場所として適しているのは、倒壊や落下物のリスクが少ない広いスペースがある路肩や空き地です。高速道路上で地震が発生した場合は無理に走り続けず、周りの状況に合わせながら路肩に一時停車するか、次のサービスエリアやパーキングエリアまでゆっくりと進み、そこで安全に停車するようにしましょう。
◎停車後の対応
停車後は、エンジンを止め、車内でハイウェイラジオ(災害時用の緊急放送)やSNSによって地震情報や避難指示を確認します。携帯電話を使える場合は、家族や知人に自分の居場所や状況を知らせることも大切です。ただし、電話回線が混雑している可能性があるため、緊急連絡は必要最小限に留めましょう。
地震が起きた際、車内に残って様子を伺うか、車を離れて避難するかの判断は非常に難しいポイントです。判断を誤ると、道路の陥没や建物の崩壊、津波や火災などの二次災害に巻き込まれてしまう可能性もあります。この場合に判断の基準となるのは、放送局による避難指示です。ラジオ局やテレビ局の多くでは、大地震が発生した際に通常の番組を中断し、緊急地震速報を放送します。余震が収まるまでは車内で地震情報や交通情報の収集に努め、その指示や周囲の状況に合わせて行動するようにしましょう。
避難をすることになった場合は、他の避難者や救助活動の妨げにならないような場所に駐車し、災害応急対策の際にすぐに移動できるようにエンジンキーはつけたまま、ドアはロックをせずに避難します。この際、引火予防と盗難対策のために、窓を閉めるのを忘れないよう気を付けましょう。車内に貴重品がある場合は、なるべく持ち出しましょう。ただし、大きな荷物を持つと避難時に身動きが取りづらくなるため、必要最低限の物品だけを携行します。
地震直後は特に混乱が生じやすく、道路が混雑する可能性が高いので、できるだけ徒歩での移動を優先することが重要です。
最後に、地震発生時に車が被災し、損傷を受けた場合の対応について解説します。車が大きく損傷し、車外に避難が必要と判断した場合、まずは周囲の安全を確認し危険がないかを確かめてから行動に移します。地震による余震や地盤の不安定さ、倒壊物のリスクが残っているため、無理に車外に出ることは避け、車内で安全を確保することが優先されます。
車内に閉じ込められた場合は、落ち着いて外部と連絡を取る方法を考えます。携帯電話が使用可能であれば、警察や消防に連絡し、正確な場所と状況を伝えましょう。電波が届かない場合は、車のホーンやライトを使って周囲に存在を知らせることも一つの方法です。また、車のドアが開かない場合や窓ガラスが割れている場合、無理に脱出しようとせず、専門の救助隊を待つようにしましょう。
◎地震で車が破損・廃車した場合の保障は?
車が地震で被災した場合、保険に加入していれば保障を受けられる可能性があります。ただし、一般的な自動車保険(任意保険)では、地震や津波による損害はカバーされないケースが一般的です。これらの災害による被害を補償するためには、地震・津波などの自然災害に対応した特約や、火災保険に付帯される地震保険に加入しておく必要があります。
いかがでしたか?運転中に地震が発生した際には、冷静に対応し、安全な場所に車を停車させることが最優先です。避難が必要な場合には、周囲の状況を確認しながら慎重に行動し、二次災害を防ぎましょう。事前の備えが、非常時の安全確保につながります。