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9月は暦の上では秋ですが、残暑も厳しく台風が頻発する月です。台風時の車の運転は事故のリスクが高いので、できる限り避けるべきでしょう。しかし、駐車場などに止めていたとしても、車が水没などの被害を受ける可能性はあります。では、車が台風被害を受けてしまった際、どのように対処するのが正解なのでしょうか。
「台風は7月、8月に来るもの」というイメージがあるかもしれませんが、実際は9月にも頻繁に発生・上陸しています。「秋台風」とも呼ばれる9月の台風は、夏の台風と比べて本州に上陸する可能性が高い傾向にあります。その原因は、太平洋高気圧です。
日本にやってくる台風は、多くの場合太平洋上で発生し、太平洋高気圧の縁を沿うように近づいてきます。夏は太平洋高気圧が日本列島を覆うため台風がそれるケースも少なくないですが、秋(特に9月)は太平洋高気圧の勢力が弱まることで高気圧の縁がちょうど本州と重なる形となり、台風が上陸しやすくなります。
また、太平洋高気圧が弱まる秋は台風が偏西風に乗りやすく、スピードが高まるのも特徴。台風はスピードが速いとそれだけ風も強まり、甚大な被害を各地にもたらしやすくなります。実際、平成以降で9月に上陸・最接近した以下の台風は、大きな災害となりました。
台風名 | 上陸・最接近年月日 |
平成2年台風第19号(フロー) | 1990年9月19日 |
平成3年台風第19号(ミレーレ) | 1991年9月27日 |
平成5年台風第13号(ヤンシー) | 1993年9月3日 |
平成16年台風第18号(ソングダー) | 2004年9月7日 |
平成23年台風第12号(タラス) | 2011年9月3日 |
令和元年台風第15号(ファクサイ) | 2019年9月9日 |
上記の中でも記憶に新しいのは、2019年9月に発生した「令和元年台風第15号」でしょう。暴風によって千葉県では7万棟を超える住宅が被害を受け、送電塔の倒壊によって大規模な停電も発生しました。このように、9月になっても台風の被害を受けるリスクは低くなく、事前に対処法を押さえておく必要があります。
台風が接近・上陸した際は、事故防止のためにも車の運転は控えましょう。しかし、たとえ運転をしていなかったとしても、冠水による水没や強風による飛来物などによって、車が損傷する恐れがないとは言えません。
◎被害を受けた車の扱い
車が台風によって何らかの被害を受けた際、車両保険に加入していれば補償を受けられます。車両保険のタイプは一般型・エコノミー型どちらでも補償を受けられるので、安心です。支払われる保険金は、損害額から免責金額を引いたものとなります。また、仮に車が台風によって全損してしまった場合は、保険金が全額支払われます。
大雨などによって水没してしまった車は、エンジンや電気系統に深刻なダメージが加わるだけでなく、不快な臭いが染みこんでしまうため、泣く泣く「廃車」を選択するドライバーも少なくありません。廃車の際はスクラップにするのではなく、売却の検討をおすすめします。場合によっては、それなりの金額で購入してくれる業者も存在するからです。まずは、買取見積もりをとってみましょう。
◎台風から車を守るための予防策
台風によって生じる水害や飛来物から車を守るため、意識しておきたいのが「素早い情報収集」です。テレビやインターネットなどで気象情報を見れば、台風の進路はある程度予測できます。自分が住んでいる地域にいつ頃、どの程度の台風がやってきそうか、しっかり情報を得ておきましょう。
もう一つ把握しておきたいのが、「浸水ハザードマップ」です。浸水ハザードマップを見れば、自分が住んでいる場所がどの程度浸水するかを把握できます。浸水の危険性があると判断できる場合は、車をあらかじめ高台に避難させるなどの対策をとりましょう。浸水ハザードマップについては、各自治体のホームページなどでご確認ください。
いかがでしたか? 9月になっても、まだまだ台風発生の可能性は高く、発生した場合には大型化するリスクもあります。車を台風による被害から守るためにも、情報はこまめに取得しておき、しっかり対策をとっておきましょう。