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「師も走るほど忙しい月」という意味があるとされる師走は、クリスマスや年末年始などイベントが多く、1年のなかでも非常に慌ただしい月といえるでしょう。慌ただしさに気をとられていると、運転者も歩行者も普段に比べて注意力が散漫になっている恐れがあります。そんな時期だからこそ、車を運転する際はいつも以上に事故防止の意識を徹底しましょう。
警察庁が発表した2017年の交通事故死者数のデータによると、もっとも死者数が多かったのは、「381人」の12月でした。また、過去10年のデータを見ても、すべての年においてもっとも死者数が多いのが12月であることが判明。さらに、2017年こそ前月との差はわずかですが、2015年や2016年は前月に比べ70人近くも死者が増えているなど、データを見ても12月は事故に巻き込まれる確率が高まるといえます。
事故が発生しやすい場所は「市街地」で、歩行者との接触が多いというのも明らかになっています。事故原因としては「わき見運転」「安全不確認」の割合が多く、これらは「漫然運転」に比べ12月のみ数字が高くなっているのも特徴です。
◎師走に事故が多い理由
師走に事故が多くなる原因はいくつか存在しますが、まず考えられるのが「年末の慌ただしさ」
です。正月に向け故郷に帰省する方たちが多くなれば、当然交通量も通常の月に比べ増加します。ただでさえ気持ちが急いでいるところに道が混雑すると、つい荒い運転となり事故につながるケースが多いのです。また、普段は運転しない不慣れな方でも年末は帰省のためにハンドルを握る機会が増えることも、事故増加の原因となっています。
また、12月の気候も事故が増加する理由の一つです。降雪や路面凍結によるスリップは、事故を招く大きな原因になります。都心では問題なくても、地方へ向かう途中で降雪などの影響を受ける可能性はあるため、あらかじめ意識を高めておく必要があるでしょう。
12月は冬至があるなど、夜間の時間が非常に長い月として知られています。夜間はとくに重大な事故につながるケースが多いため、注意しなければいけません。
◎師走の事故対策
運転中の事故を回避するには、さまざまな点に注意する必要があります。帰省の際は長距離を移動することが多くなるため、適度な休息を挟んで疲れをためないようにすることが大事。適度な休息をとり気持ちに余裕を持たせることで、渋滞にはまったときなどのイライラを抑える効果が期待できます。また、師走は日没が早くなるため、早めのヘッドライト点灯を心がけてください。帰省で山道を通るときには、適宜ハイビームを使うようにしましょう。
事故を防止するためには、事前に車の整備を行っておくことも大切です。タイヤは前もってスタッドレスタイヤに交換しておき、雪の多い地域に帰省する場合はタイヤチェーンを準備するなど、冬支度を済ませておきましょう。雪道や路面凍結の恐れがある道路を利用する際には、車間距離を広めにとって走ることを徹底すれば事故回避の確率はより上がるはずです。
年末年始は何かとお酒を飲む機会が多くなりますが、そんなときだからこそ飲酒運転はしないという決意を徹底しましょう。わずかであっても、お酒を飲んでから運転をすれば飲酒運転となります。たとえ事故を起こさなかったとしても、重い処罰が下るのは避けられないため、絶対に飲酒運転はしてはいけません。
いかがでしたか? 師走は平常より交通量が多くなり、事故も増加する月です。夜間の時間が長く、降雪や路面凍結の危険性もあるなど、運転をするのに決してよい環境とはいえません。加えて、帰省するときには家族や友人を車に乗せているケースも多く、気をとられる条件が多くそろっています。車をしっかり冬仕様にしつつ、普段以上に運転に集中することを意識して、楽しい新年を迎えられるようにしてくださいね。