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今年の立冬は11月7日。立冬を迎えると、季節は本格的な冬へと突入していきます。寒さに負けないよう体調管理を徹底するのはもちろんですが、もう1つ徹底しておきたいのが車の点検です。タイヤはもちろん、バッテリーやウォッシャー液、携行品に至るまでしっかりとチェックを行い、交通事故が発生しやすい冬の時期を万全の態勢で迎えましょう。
警察庁が発表した平成27年の月別交通事故死者数によると、12月が520人ともっとも多く、10月(460人)、11月(453人)がそれに続く結果となりました。
日照時間が短くなり、交通事故発生の多い時間帯である夜間が長くなること、そしてクリスマスや仕事納めなどの忙しさで注意力が散漫となる傾向にある点が、10~12月に事故発生が多い原因となっています。
また、寒気が流れ込むことで降り始める雪、路面凍結といった季節的要因も、事故増加の一因を担っているといえるでしょう。こうした環境で事故を防ぐためには、本格的な冬を迎える前の今のタイミングで車の点検をすることが重要です。
事故に遭遇する確率を低くするためには、以下に紹介する車の各パーツを事前にきちんと点検しておく必要があります。
◎タイヤのチェック
まず点検しておきたいのが「タイヤ」です。積雪路や凍結路を安全に走るためには、サマータイヤからスタッドレスタイヤに交換しておきましょう。都心などふだん雪の降らない地域に住んでいる場合は、費用を安く抑えられるスタッドレスタイヤレンタルの活用や、四季を通じて高い性能を発揮するオールシーズンタイヤの導入をおすすめします。
また、見逃さないでおきたいのがスリップサインです。スリップサインが出ているタイヤを装着していると、道交法第62条で定められている「整備不良車両の運転の禁止」に反していると見なされ、罰則の対象となってしまいます。それだけでなく、グリップ力の低下を招き、事故の危険性が増すため絶対にやめましょう。
スリップサイン同様、注意を払っておきたいのがタイヤの空気圧です。空気圧が高すぎたり低すぎたりすると、さまざまなトラブルが発生する原因になります。必ず月に1度はエアゲージで空気圧を測定し、異常はないかチェックをしておきましょう。また、タイヤの空気圧を図る際には、スペアタイヤのチェックも忘れずに行ってくださいね
◎バッテリーのチェック
バッテリーは、寒いと性能が低下して通常よりも早くあがってしまう恐れがあるため、忘れずチェックします。チェックの際は、「ヒビが入っていないか」「バッテリー液がロウワーレベル以上アッパーレベル以下になっているか」「液漏れがないか」を目視で確認しましょう。この3つに問題がなければ、すぐに交換する必要はありません。
電圧をチェックするときは、まずエンジンを切り、車に負荷がかかっていない状態にしてから確認するようにしましょう。もし電圧が12Vを下回っていた場合には、バッテリーを交換する必要があります。ただし、電圧チェックは慣れている人でなければ危険なため、自信がなければガソリンスタンドでチェックしてもらうほうが安全です。
◎ウォッシャー液のチェック
冬場は雪道などを走る機会が増えるため、フロントガラスに汚れがつきやすく、ウォッシャー液が活躍します。そこで注意をしたいのがウォッシャー液の濃度です。濃度が薄いウォッシャー液だと寒さで凍結してしまい、タンクが破裂してしまう可能性があります。あらかじめウォッシャー液を原液に近い状態で補充しておくなど、対策を立てておきましょう。また、ウォッシャー液には解氷効果があるタイプもあるため、こちらも用意しておくことをおすすめします。
ウォッシャー液は無くなってから初めて気づくというドライバーが多いため、日ごろからこまめにチェックする習慣をつけておきましょう。ウォッシャー液のチェックは、エンジンルームのウォッシャータンクを目視で点検するだけなので、簡単に済みます。
◎携行品のチェック
冬はさまざまなトラブルが発生しやすい季節です。万が一に備え、発煙筒や三角ランプといった非常信号用具を準備しておけば、トラブル回避に役立ちます。発煙筒は、運転手がすぐに確認でき、容易に取り外しが可能な箇所に備えておくことが大切です。
いかがでしたか? 冬はその他の季節に比べ、天候や道路の状態など注意しなければならないことが多い季節です。事故に遭遇し暗い年末年始を迎えないようにするためにも、今回ご紹介した車の点検は必ず実行するようにしておきましょう。