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長期的にジメジメした天気が続く梅雨は、運転だけでなく車のボディに付着する汚れについても細心の注意を払わなければなりません。雨が原因で発生した汚れを放置していると車に深刻なダメージが生じ、修理が必要になる可能性もあるからです。愛車に汚れを発見したら、できるだけ早く、そして正しくきれいにするようにしましょう。
梅雨本番となる6月は、1年の中でも雨が多く降る月です。気象庁が公開している東京都の降水量データを見ても、過去10年のすべてで100mm以上の月間降雨量を記録している唯一の月となっています。雨が降った際、ドライバーが特に気を使わなければならないのが「雨ジミ」や「水垢」などの現象です。
◎雨ジミ
雨が降った後、車にまるで白い鱗のようなシミができているのを見たことがある人も多いでしょう。それが「雨ジミ」です。「イオンデポジット」とも呼ばれる雨ジミは、基本的にボンネットやルーフなどに発生しますが、気温が高い日にはガラス部分にも発生します。
◎水垢
雨ジミとは別に、降雨によって発生する汚れが「水垢」です。水垢は、車のドアミラー部分の下などにできる黒い筋の汚れなどを指します。車にできる水垢は、その名前から受ける印象とは違って「油分」が主な原因です。大気中に飛散している油分が雨に溶け込み、車に降り注ぐことで水垢になります。
こうした汚れを長期にわたって放置すると、同じ場所に汚れが蓄積していき、どんどん落ちにくくなります。また、汚れが蓄積していくにつれて塗装やコーディングにもダメージが加わり、最終的には「剥がれ」などの原因になってしまうケースも少なくありません。そのため、「汚れは見つけたらすぐに落とす」という意識を持っておく必要があるのです。
雨ジミや水垢などの汚れを確実に落としたいなら、ただ「水洗いをするだけ」「自動洗車機を利用するだけ」では不十分です。水洗いのみで洗車を済ませると、かえって汚れが悪化する可能性も。自動洗車機の利用には、細かい傷がついたり洗い残しが発生したりするリスクがあります。
また、「雨で車の汚れは洗い流せる」と考えて、洗車しないまま雨水を拭き取るのはNG。雨の中には水だけでなくさまざまな微粒の物質が含まれているため、そのまま拭くと傷の原因となってしまいます。
こうした汚れに対しては、車用の洗浄液を用いるのが正解です。使用後はしっかりすすいだうえで、水滴を一つ残らず拭き取るようにしましょう。十分にすすぎができていないと、すぐに新たな雨ジミ・水垢が発生してしまいます。自分だけでしっかり洗車できるか不安な場合は、ガソリンスタンドの手洗いによる洗車サービスを利用するようにしてください。
雨ジミや水垢といった汚れが発生するたびに洗車をするのは、非常に手間がかかるもの。できるだけ洗車の手間を少なくしたいという人も多いでしょう。そこでおすすめなのが、ワックスやコーティングです。ワックスやコーティングには親水性・揮発性・疎水性などさまざまなタイプがありますが、雨ジミ・水垢を予防したいなら、車に付着した水を流れやすくしてくれる親水性や疎水性の商品を選ぶとよいでしょう。
ワックスやコーティングは自分でかけることもできますが、うまくかけないとかえって汚れの原因になってしまうこともあります。愛車の美観をしっかり守りたい人、ワックス・コーティングの効果を持続させたい人は、業者に依頼したほうが確実です。
いかがでしたか? 梅雨になると、雨ジミ・水垢が気になる場面が多くなります。そんなときは放置したり乱暴に洗ったりするのではなく、適切な洗車をすることが車の美観を長持ちさせるコツです。雨ジミや水垢は処理の仕方を誤ると「取れない汚れ」となってしまうことがあるので、くれぐれも対処方法は間違えないようにしてくださいね。