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季節はこれから冬に向かい、運転中の車内温度もどんどん下がっていきます。車内温度を適切に保たなければ体調不良などにつながり、安全運転に支障をきたす恐れは否定できません。そこで今回は、寒い車内を速やかに暖房で暖める方法を紹介します。
暖房をつけてもすぐに車内が暖まらなければ、その間は寒さに耐える必要があります。できる限りこの時間を減らすためには、以下の方法を試してみてください。
◎エンジンを温めてから暖房を「ON」に
効果的な方法として、暖房を入れる前にエンジンを温める方法が挙げられます。車に搭載されている暖房から発生する暖気は、エンジンの熱によって生み出されています。そのため、エンジンをかけずいきなり暖房を「ON」にしても、暖気を出すことができないのです。冬場はエンジンが温まりにくいため、暖房がなかなか機能しないリスクも考慮しなければなりません。
◎内気循環で外気をシャットアウト
車内をすぐ温めたいのであれば、カーエアコンを「内気循環」にしておくことも大切です。基本的に、カーエアコンには内気循環と外気導入を入れ替えるスイッチが搭載されています。外気導入にしていると車が外の冷気を取り込んでしまうため、なかなか車内が暖まらないでしょう。内気循環であれば、暖房から発生する温風を隅々まで行き渡らせることができるため、忘れず切り替えを行うようにしてください。
◎A/CボタンはOFFに
カーエアコンに搭載されている「A/Cボタン」はエアーコンプレッサーのスイッチであり、主に冷房を使用する際に「ON」とすべきものです。一方で、暖房の使用であればわざわざA/CボタンをONとする必要はありません。仮にONとしてしまうと、車に余分な負荷がかかることで燃費が悪化する懸念が生じるでしょう。カーエアコンをはじめとする関連機器の劣化も招きかねないため、A/Cボタンは必ずOFFにしてください。
◎A/Cボタンをオンにするタイミング
暖房をONにしている場合、A/CボタンをONにする必要はないと説明しました。ただし、唯一の例外もあるため把握しておかなければなりません。
暖房を長時間使用することでウィンドウが曇った場合には、A/CボタンをONにしましょう。これにより、除湿効果が生まれウィンドウをクリアな状態に戻せます。仮にウィンドウが曇ったままで運転を続けていると、視界を確保できず重大な事故に発展するリスクは否定できません。安全運転を実施するためにも、A/CボタンをONにする見極めは誤らないようにしましょう。
◎冷却水の量を確認
エンジンの動作に異常が生じた場合、暖房にも悪影響を及ぼす懸念があります。そこで、事前にチェックしておきたいのが冷却水の量です。冷却水を適切な量に保ちエンジンの熱をしっかり冷やすことができれば、暖房も安心して使用できるでしょう。
逆に、十分な冷却水を確保できていないと、オーバーヒートを起こしてしまう恐れがあります。冷却水が不足しているようなら、カーショップなどで市販されているものを購入して、交換や補充を行いましょう。また、冷却水の量を適切に確保していても高温になり過ぎるとエンジンのオーバーヒートが懸念されるため、こちらのチェックも欠かさないようにしてください。
暖房を使用する際、誤った使い方をするとカーエアコンだけでなくさまざまな部分に異常が生じるリスクがあります。使用時には、具体的にどのような行動がNGかを把握しなければなりません。
◎エンジンの空ぶかし
まず避けたいのが、「エンジンの空ぶかし」です。エンジンには潤滑の役割を果たすエンジンオイルが入っていますが、エンジンを入れてしばらくはこのオイルが十分に温まっていないので、適切な機能を果たすことができません。そのため、少しでも早くエンジンを温めようとするあまり空ぶかしを行うとエンジンを傷め、車自体の寿命を縮めてしまう恐れがあります。
◎急なカーエアコンの使用
普段カーエアコンをまったく使用せず、寒くなってから突然利用しようとすると、故障の原因となってしまう危険性は否めません。安定してカーエアコンを稼働させるためには、定期的な利用が必要です。もしカーエアコンが故障した場合、コンプレッサー部分に損傷が認められると修理費用として5万円程度の費用が生じるため、注意しておきましょう。
いかがでしたか? 快適な車内温度で運転をするためには、いくつかのコツが必要です。今回紹介した内容を参考として、スムーズに車内を暖めていきましょう。また、カーエアコンを使用する際は幾つかの注意点もあるため、事前にしっかり確認をしてください。