あなたの安全運転とエコドライブをサポート。『安全ドライブ大学』
万が一の事故や事件に備えて、ドライブレコーダーを設置する人が増えています。しかし、実際に事故や事件に巻き込まれてしまった際に、ドライブレコーダーの映像がどのように役立つかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、ドライブレコーダーが過失割合にどのような影響を与えるのか、ドライブレコーダーの映像を活用する際の注意点について解説します。
交通事故の過失割合とは、相手が存在する事故が起きたときに、各当事者の責任の度合いを示す割合のことです。一般的に10対0や7対3などと表記され、その数値が大きい当事者を事故の加害者、少ない方を被害者と呼んでいます。
過失割合は、事故の状況や当事者の行動、道路の状態などを総合的に判断して決定されます。過失割合が決まると、損害賠償額の分担がその割合に基づいて計算されます。
◎過失割合は誰が決める?
過失割合が10対0の場合を除き、一般的には保険会社が窓口となり、当事者間での話し合いによって決定されます。過失割合の決定は警察も介入するイメージを持っている方も多いですが、警察は事故現場の状況確認と過失割合を決定する際に必要な報告書の作成のみをおこない、直接関わることはありません。自分で話し合いに臨むのは不安だと感じる場合などは、交渉を弁護士に任せることも可能です。また、双方の言い分が食い違い、話し合いによる過失割合の合意が得られない場合は、調停や裁判によって過失割合を決めることになります。
ドラレコ(ドライブレコーダー)とは、運転中の映像・音声などを記録する車載機器のことです。ドラレコを搭載した車両が交通事故に遭った場合、裁判を除きドラレコの映像を保険会社や警察に提出する義務はありません。ただし、以下のケースにおいてドラレコの映像が役に立つことがあります。
◎当事者の主張が食い違っているとき
話し合いにおいて、当事者双方の主張が食い違うことはしばしばあります。そんな時、ドラレコの映像があることで、どちらの主張が正しいのかを明確にすることができます。例えば、交差点での信号無視による衝突事故では、どちらの車両が信号を無視したのかが問題になります。ドライブレコーダーの映像があれば、信号の色や車両の動きを確認し、正確な過失割合を判断することができます。
◎被害者(加害者)が事故状況を説明できないとき
被害者(加害者)が事故によるケガや入院によって発言できない状況にある場合や、事故で亡くなってしまっている場合、ドラレコの映像が証拠となります。この場合、加害者が一方的に被害者の過失割合が高くなるよう主張することがありますが、ドラレコの映像を活用することで公平に判断されます。
◎当て逃げ・ひき逃げに遭ったとき
交通事故の被害者となった場合、加害者が当て逃げ・ひき逃げをして現場から立ち去ってしまう場合もあります。そんな時、ドラレコの映像に加害者のナンバープレートや車両の特徴が残されていると、加害者の特定が早まります。
ドラレコの映像が証拠として役に立つケースがある一方で、ドラレコの映像を活用する際に注意しなければならないことがあります。
◎性能の高いドライブレコーダーを使用する
ドラレコとひとくちにいっても、カメラのタイプや画素数はさまざまです。解像度や画素数が低いものや映せる範囲が狭いものを使用している場合、加害者のナンバープレートや信号の色などといった、証拠となる情報がきちんと記録されていない可能性もあります。ドラレコはただ取り付けるだけではなく、360度映せるものや画質が良いものなど、現場の状況を鮮明に記録できるものを選びましょう。
◎自分が不利になる状況が記録されていることもある
ドラレコは客観的な証拠となるため、自分にとって不利となる音声や映像が記録されていることもあります。保険会社や警察への提出は義務ではありませんが、運転中の様子が記録に残っている以上は自分自身も過失を問われるケースがあることを十分に理解し、安全運転に努めましょう。もし自分自身で対処しきれないトラブルに見舞われた場合は、弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。
いかがでしたか?ドライブレコーダーを設置しておくことで、事故に遭った際の証拠として活用できることがわかりました。ただし、ドラレコを設置する際には、画質や録画範囲、機能などをきちんと比較することが大切です。すでにドラレコを設置している方もそうでない方も、万が一に備えて今一度ドラレコについて見直してみるのはいかがでしょうか?