あなたの安全運転とエコドライブをサポート。『安全ドライブ大学』
35度を超える猛暑日は、人だけでなく車に対しても暑さ対策が必要です。炎天下に置かれた車は車内の温度が50℃近くまで上昇し、オーバーヒートやバッテリー上がりなどのトラブルも起こります。本記事では猛暑がもたらす車への影響と対策について解説します。
◎オーバーヒート
オーバーヒートとは、エンジンが過剰に熱くなり、適正な温度を超えてしまう状態のことです。気温が高い日にはエンジンの冷却システムがうまく機能せず、オーバーヒートを引き起こす可能性があります。エンジンがオーバーヒートすると、エンジンオイルの潤滑性能が損なわれ、エンジン内部の摩擦が増えるため、最悪の場合エンジンが故障してしまうこともあります。
◎タイヤのパンク・バースト
真夏の道路やアスファルトは50~60℃もの高温になり、路面に接するタイヤも熱の影響を受けます。熱された路面とタイヤの摩擦熱でタイヤのゴムが劣化するだけでなく、タイヤの内部が熱で膨張して空気圧が高まり、パンクやバーストの原因にもなります。特に劣化した古いタイヤは熱の影響を強く受けるため注意が必要です。
◎バッテリー上がり
一般的には冬に起きやすいと言われているバッテリー上がりですが、エアコンなどで電力の消費が多くなる夏もバッテリー上がりの危険があります。また、渋滞などで車がアイドリング状態になっている場合はバッテリーの発電量が低くなり、この状態でエアコンをつけていると、電力の消費量が発電量を上回り、バッテリーが上がりやすくなってしまいます。
猛暑による車の故障は、交通事故につながるリスクもあります。エンジンのオーバーヒートやバッテリー上がりによって、道路上で車が突然停止したり、エンジンがかからなくなったりすると、他の車両との衝突や追突につながります。また、タイヤがパンク・バーストするとハンドルのコントロールが効かなくなり、周囲を巻き込んだ大規模な事故に発展する可能性も。夏は旅行や帰省で長時間運転することや、渋滞に巻き込まれる可能性が多いため、事前のチェックや日頃からのメンテナンスが重要になってきます。
◎炎天下に車を置かない
車を直射日光の当たる場所に長時間放置しないように心がけましょう。日陰や屋内駐車場を利用することで、車内の温度上昇を抑えることができます。また、サンシェードや窓に貼るフィルムを利用することも効果的です。車内の温度を低く保つことで、エンジンやバッテリー、タイヤなどへの負担を軽減することができます。
◎冷却システムのチェック
エンジンの冷却システムを定期的に点検し、冷却水の量や水温計を確認しましょう。冷却水が不足している場合は、早めに補充や交換をおこなうことが重要です。水温計は、針がHマーク寄りになっている場合はややオーバーヒート気味のため要注意です。業者で早めにチェックしてもらいましょう。
◎バッテリーのメンテナンス
バッテリーの端子部分に腐食が見られる場合は清掃を行い、バッテリー液の量も確認しましょう。バッテリーの寿命は通常3〜5年程度ですが、猛暑の影響で早期に劣化することもあるため、異常を感じたら早めに交換することが大切です。
◎タイヤの点検・空気圧のチェック
タイヤの空気圧を適正に保つことが、パンクやバーストを防ぐための基本です。特に長距離ドライブや高速道路の走行前には必ずタイヤの状態を確認し、必要に応じて空気圧を調整しましょう。また、タイヤの溝の深さやゴムの劣化もチェックし、摩耗が進んでいる場合は早めに交換するのがおすすめです。
◎エアコンのメンテナンス
エアコンのフィルターが汚れていると冷却効率が低下し、車内の温度が下がりにくくなります。定期的にフィルターを交換し、エアコンの効き具合を確認しましょう。また、エアコンガスの量が不足している場合は、業者に依頼して補充が必要です。
いかがでしたか?猛暑による車のトラブルを未然に防ぐためには、日常的なメンテナンスと適切な対策が不可欠です。定期的な点検を行い、異常を早期に発見し対処することで、安全で快適なドライブを楽しみましょう。