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11月9日は「119番の日」。緊急車両への知識を深め、適切な対応を再確認するのにぴったりな日です。本記事では、緊急車両の定義や道路交通法での義務、道を譲る際の正しい対応、さらに進行を妨害した場合の罰則について解説します。
緊急車両とは、救急車、消防車、警察車両など、人命救助や消火活動、犯罪の阻止など、緊急を要する場面で出動する特定の車両を指します。これらの車両は、道路交通法に基づき特別な優先権が認められており、スムーズに通行できるようさまざまなルールが定められています。
道路交通法第40条では、サイレンを鳴らしている緊急車両に対して、他の車両や歩行者が進行を妨げないようにする義務が明確に規定されています。例えば、交差点付近では進入を避け、道路脇に停止するなどの対応が求められます。これは、緊急車両が一刻も早く目的地に到達するために重要であり、迅速な救命活動や防災活動に直結するからです。
さらに、緊急車両が優先される状況では、通常であれば違反行為となる動きも認められています。これは、現場の状況に応じて必要な手段を取らざるを得ないケースがあるためです。しかし、これらの措置は一般車両に対して適用されないため、ドライバーは緊急車両の動きに注意しながら安全に道を譲る必要があります。
◎急ブレーキは踏まない
急ブレーキをかけると後続車に追突されるなど、二次災害につながりかねません。ミラーを確認し、周りの車に配慮しながら徐々にスピードを落としていきましょう。ウインカーやハザードランプを活用しながら行うと周りの車にも伝わりやすいです。
◎なるべく左側に寄る
緊急車両が近づいていることを確認したら、なるべく道路の左側に寄ります。一方通行などで左側に寄るとかえって邪魔になってしまう場合は、右側に寄ってもかまいません。緊急車両が通れる分のスペースを確保しましょう。
◎交差点に入る前に一時停止する
信号が青でも、緊急車両が近づいている場合は、進入を控えましょう。交差点の手前で一時停止し、緊急車両が通過するのを待ちます。
◎三車線以上の道路では中央を空ける
二車線までの道路であれば車を左側に寄せるのが基本ですが、三車線以上の道路では中央車線を空け、左車線か右車線に寄るようにしましょう。
◎高速道路では左側車線へ移動する
高速道路では緊急車両が近づいているからといって、必ずしも一時停止しなければならないわけではありません。一般道路より速い速度で走行しているため、急な車線変更や減速、一時停止は事故につながる恐れがあるからです。ただし、緊急車両からのアナウンスがある場合はその指示に従うようにしましょう。渋滞時などで速度が遅い場合は一般道路と同じように左車線に移動するのが望ましいです。
日本の道路交通法では、緊急車両の進行を妨げた場合に罰則が科されることが定められています。例えば、道を譲らない、進路をふさぐ、故意に妨害するなどの行為は、罰金や減点、免許停止の対象となるケースがあります。具体的には、進路を妨害した場合には3万円以下の罰金(軽自動車は2万円以下)が科される他、違反点数が加算されます。これにより、免許更新時に影響が出ることも。場合によっては免許停止処分に至ることもあります。
さらに、故意に緊急車両の進行を妨害する行為は、より重い刑罰が科されることもゼロではありません。妨害が原因で救命活動が遅れたり、二次的な事故を引き起こしたりした場合、刑事責任を問われることもあります。このような事例では、業務上過失致死傷罪や交通妨害罪が適用され、懲役や罰金などの厳しい刑罰が科されます。
一方で、道を譲らない意図がなくとも、適切な対応ができずに結果的に進行を妨げてしまうケースも考えられます。例えば、道路状況の悪さや運転技術の未熟さから対応が遅れてしまうこともあるかもしれません。このような場合でも、緊急車両の進行を妨害したことには変わりないため、罰則の対象となります。そうならないためにも、常に冷静かつ的確な判断が求められるでしょう。
いかがでしたでしたか? 「119番の日」は、緊急車両に対する理解を深め、適切な対応を再確認するための重要な日です。冷静な判断を心がけ、いざという時に迅速かつ的確に行動できるよう、日頃から意識しておくことが大切です。