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雪の日の駐車には、路面凍結や視界不良など、様々なリスクがあります。安全に車を停めるためには、適切な場所選びや停車後の確認が大切です。本記事では、雪の日に駐車する際の注意点や、安全に駐車するためのポイントを紹介します。
雪の日の駐車にはどんなリスクが潜んでいるでしょうか?よくある事例をご紹介します。
◎凍結による滑りやすさ
雪が圧縮されて凍結すると、タイヤのグリップ力が低下して滑りやすくなり、車が思わぬ方向に滑ってしまう可能性があります。特に、坂道や傾斜のある場所では、駐車中でも車が動き出す危険性があります。
◎雪による視界不良
降雪が激しい場合は路面や駐車枠が見えにくくなり、正しい位置に駐車できないことがあります。バックモニターが鮮明に映し出されず、隣の車やガードレールに接触してしまうといった事故の恐れも。さらに、駐車スペース自体が雪に覆われており、車両がスタックして動けなくなることもあります。
◎サイドブレーキの凍結
寒冷地や極寒の日には、雪や氷がブレーキパッドやケーブルに付着し、凍りついて動かなくなることがあります。この状態ではサイドブレーキが解除できず、車自体を動かせなくなってしまうといった事態に。寒冷地ではサイドブレーキ以外の方法で車を固定する工夫が必要です。
◎バッテリーのトラブル
バッテリーが寒さにさらされると、内部の化学反応が鈍くなり、始動時に必要な電力を供給する力が弱まります。たとえ短時間の駐車であっても、バッテリーが十分に充電されていない場合はエンジンがかからない恐れがあります。
雪の日に安全に駐車するためのポイントをご紹介します。
1. 平坦な場所を選ぶ
駐車場所は平坦な場所を選ぶのが理想的です。坂道や斜面は車が滑りやすくなることも。可能であれば、屋根付きの駐車場や除雪が行き届いている場所を選びます。また、屋外に駐車する際は、屋根のない開けた場所を選び、落雪や倒木のリスクを避けるようにしましょう。
2. 車を風上に向けない
風上に駐車すると、降雪や風が直接フロントガラスに当たり、雪や氷がたまりやすくなります。細かい雪が隙間からエンジンルームや配線部分に入り込み、故障の原因になることも。風上を避けることが可能であれば、風下または横向きに駐車し、難しい場合はフロント部分を壁側に向けて駐車しましょう。
3. サイドブレーキは引かない
寒冷地ではサイドブレーキの使用を控えることが推奨されます。代わりに、ギアをニュートラルに入れて(AT限定車の場合はPレンジに入れて)、エンジンを切りましょう。あわせて車輪止めを使用するとより効果的です。
4. ワイパーを立てる
雪が降り続け、気温が下がると、ワイパーがフロントガラスに凍り付いてしまうことがあります。無理に剥がそうとすると、ワイパーのゴムが傷み、ワイパーモーターが故障する原因に。立てておくことで、フロントガラスとの凍結を防ぎやすくなります。ただし、風が強い場合はワイパーが倒れて車を傷つけるリスクがあるため注意が必要です。
安全に駐車した後も、気を抜くことはできません。以下の注意点を押さえておきましょう。
◎車体の雪かきをする
駐車後、車体に積もった雪をそのままにしておくと、車両重量が増すだけでなく、次回の運転時に視界を妨げる原因になります。駐車後はこまめに車体の雪を取り除き、特に屋根やガラス部分を清掃しましょう。
◎凍結防止対策をする
寒冷地では車のドアや窓が凍り付いてしまうことがあります。駐車後はドアのゴム部分にシリコンスプレーをかけておくことで凍結を防げます。また、フロントガラスには凍結防止シートをかけておくと便利です。
◎エンジンをかけたまま長時間車内に滞在しない
駐車後、寒さ対策のためにエンジンをかけたまま車内にいると、一酸化炭素中毒の危険性が高まります。暖房は必要最小限にとどめ、駐車した後は速やかにエンジンを切るようにしましょう。
◎再発進に備える
翌朝車を動かす際には、まずタイヤ周りの雪や氷を確認し、スタックを防ぎましょう。サイドブレーキを使用した場合は、凍結していないか慎重に確認し、無理に解除しようとしないでください。バッテリーやエンジンのトラブルが心配な方は、こまめにアイドリングして車を温めておくのもおすすめです。
いかがでしたか?雪の日の駐車は、路面状況や寒冷地特有のリスクをしっかり考慮することが大切です。対策を徹底し、冬のドライブを安全に楽しんでください。