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意外と見落としがちなルールが多い「横断歩道」。横断歩道の標識とルールを正しく理解することが、事故を防ぐ鍵となります。この記事では、横断歩道に関する基礎知識をおさらいし、ドライバーとして守るべきルールを解説。安全な運転のために、今一度基礎を振り返ってみましょう。
横断歩道の存在をドライバーに知らせるために、道路にはさまざまな標識や標示が設置されています。まず、それぞれの種類と意味を改めて整理しておきましょう。
①横断歩道の標識(規制標識)
青地に白い人のシルエットが描かれた五角形の標識は、「横断歩道あり」を示す規制標識です。この標識は、前方に横断歩道があることを知らせ、ドライバーに注意を促します。この標識がある場合、信号機のない横断歩道では歩行者の通行が優先されます。
②道路上の標示(ひし型マーク)
横断歩道の手前30~50メートルの地点には、路面に「ひし形のマーク」が描かれています。これは、前方に横断歩道や自転車横断帯があることを示し、ドライバーに減速と注意を促すものです。特にカーブや上り坂などで横断歩道が見えにくい場所では、この標示が重要な役割を果たします。この標示を見たらすぐに速度を落とし、歩行者がいないかどうかをしっかり確認しましょう。
◎紛らわしい標識との違い
横断歩道の標識と似たような標識として、黄色地に子どものシルエットが描かれた「学校、幼稚園、保育所等あり」の標識があります。これは、近くに学校や幼稚園、保育所があり、子どもの飛び出しなどに注意が必要な区域であることを示す警戒標識です。子どもが多く通行するエリアのため、飛び出しなどに注意して運転しましょう。
また、同じく似たような標識として、「歩行者等専用」の標識が挙げられます。これは、車両の進入が禁止されている道路であることを示す標識で、青地に人や自転車のシルエットが描かれています。これらの標識と「横断歩道」の標識は似ていますが、意味が異なるため注意が必要です。
横断歩道に関連する交通ルールを正しく理解し、適切に行動することが、歩行者の安全を守るために不可欠です。
◎歩行者優先の義務(道路交通法第38条)
道路交通法では、「横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる場合、車両は手前で一時停止し、歩行者の通行を妨げてはならない」と定められています。重要なのは、歩行者が実際に横断歩道に足を踏み入れていなくても、「渡ろうとしている意思」が見られる場合には停止しなければならない点です。このルールに違反すると、「横断歩行者等妨害等違反」として罰則が科せられます。
罰則 ⇒ 3か月以下の懲役または5万円以下の罰金 |
横断歩道や自転車横断帯の手前30メートル以内では、追い越しや追い抜きが禁止されています。特に、横断歩道の手前で他の車が一時停止している場合、その車を追い越して進行するのは非常に危険です。歩行者が車の影に隠れている可能性があるため、必ず一時停止をして周囲を確認してから進行するようにしましょう。
横断歩道は歩行者が安全に道路を渡るための場所です。歩行者優先の原則を守ることはもちろん、事故を防ぐために適切な運転を心掛けましょう。
1. 横断歩道手前での減速と一時停止の徹底
横断歩道の手前では歩行者がいる・いないにかかわらず減速し、渡ろうとする人がいたら確実に一時停止をしましょう。
また、前方の車が横断歩道手前で停止している場合は、必ず自分も停止することを心掛けましょう。
2. 歩行者の動きを予測する
歩行者の動きを予測することも大切です。特に、スマートフォンを操作しながら歩いている人や、小さな子どもなどは注意力が散漫になっている場合があります。また、白杖を持った視覚障害者がいる場合は、確実に一時停止し、安全を十分に確保する必要があります。夜間や雨天時は歩行者の視認性が低下するため、早めのライト点灯や速度の調整を行い、歩行者の存在に注意を払いましょう。
3. 自転車の横断にも注意
横断歩道では歩行者だけでなく、自転車にも注意が必要です。自転車は歩行者よりもスピードが速く車両に近い動きをするため、予測しづらい場面が多くあります。特に近年は、無灯火あるいはスマートフォンやイヤホンを使用したまま自転車を運転する人も少なくありません。横断歩道付近に歩行者がいないからといって安心せず、左右からの自転車の動きにも注意を払いながら慎重に走行しましょう。
いかがでしたか?日常の運転の中で、改めて横断歩道の標識やルールを意識し、歩行者の安全を第一に考えることが、安心・安全な交通環境の実現につながります。あなたの運転は、歩行者にとって安全なものになっていますか?この機会に、ぜひ自身の運転を見直してみてください。