あなたの安全運転とエコドライブをサポート。『安全ドライブ大学』
5月5日は、国民の祝日・こどもの日。まとまった休みが多いため、お子さんと出かける機会も増えるのではないでしょうか。安全にお子さんをクルマに乗せるための準備、しっかりとできていますか? 今回、ドライブグッズの中からお子さん向けのチャイルドシートにスポットを当て、詳しくご紹介します。
「全国交通安全運動」とは、内閣府のホームページによると本運動の目的を「広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ること」としています。
自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であって、道路運送車両法第三章 及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。 |
道路交通法では、平成12年4月より幼児※のチャイルドシート着用を義務付けしています。クルマのシートベルトは身長140cm以上の体型を基準につくられているため、幼児が使用すると万が一の事態にケガを負う危険が非常に高いためです。6歳を過ぎても身体の発育が遅いお子さん(とくに身長140cm未満)は、チャイルドシートを使用したほうが安全・安心です。ただし、疾病やケガなどの影響でチャイルドシートを使用できない場合は、この限りではありません。
病気やケガの他にも、体格の問題や緊急性のある場合などは、チャイルドシートの使用義務が免除されるケースもありますが、グズり泣きするお子さんを抱っこした状態で乗車することは違反と見なされます。長距離ドライブに出かける前に、まずは近場で着用の練習を行うなどして、子どもがチャイルドシートに慣れる時間をつくるのもポイントです。
※「幼児」の定義…児童:6歳以上13歳未満の者 幼児:6歳未満の者 出典元:道路交通法 第14条3項
6歳未満の幼児を乗車させる場合、チャイルドシートを使用していないと「幼児用補助装置使用義務違反」により違反点数1点が科せられます。「座席ベルト装着義務違反」と同様、反則金はかかりませんが、決して軽視をしてはいけません。大切な我が子を守るための、いわば親としての「義務」といえるでしょう。
ベビーシート:首がすわっていない乳児を寝かせるタイプ。 |
チャイルドシート:前向き・後ろ向き兼用タイプもあります。 |
ジュニアシート:座高を上げて通常のシートベルトを使用するタイプ。 |
チャイルドシートとひと口に言っても、ベビーシートやジュニアシートなどタイプがあり、子ども用カーシートの総称として「チャイルドシート」と呼ばれています。上記はあくまで目安なので、お子さんの体格に合わせた子ども用シートを選ぶことが重要です。
取り付け位置は、エアバックが付いていない座席(後方座席など)、シートベルトが使用できる座席、ルームミラーやサイドミラー確認に支障のない位置への設置が推奨されています。助手席に取り付けることは違法ではありませんが、万が一のときエアバック作動の衝撃が赤ちゃんに悪影響を与えてしまう恐れがあるため、基本的には避けた方がいいといわれています。
チャイルドシートの安全基準「ECE規則44号」とは? |
「ECE規則44号」とは、チャイルドシートの安全基準で、ヨーロッパの高い安全基準を満たしている証です。安全性の高さはもちろん、正確かつ簡単に取り付けるため統一規格の器具製造が義務付けられています。チャイルドシートを購入する際は、信頼の証ともいえる「ECE R44/04」と記載されたオレンジマークが付いた商品を選ぶと安心です。 |
眠っている我が子を寝かせたまま長時間クルマから離れてしまい、熱中症などで子どもが命を落としてしまう事故が後を絶ちません。「チャイルドシートで固定しているし、万が一起きても大丈夫……」と考えるのは大きな間違いです。
JAFの調査では、春(4月後半~5月、平均気温23度程度)でも車内温度は約50度に上るという結果が出ています。とくに乳幼児は体温調節機能が未発達のため、短時間で体温が上昇し、死に至る可能性があります。「外は涼しいし……」という考えは危険です。たとえ少しの時間でも、クルマから離れる際は必ずお子さんも連れていくようにしてくださいね。
いかがでしたか? クルマで出かけるときは必ず、お子さんの安全を守るチャイルドシートをしっかりと準備しておきましょう。大切なお子さんの笑顔のために、安全で楽しいドライブを楽しんでくださいね。