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10月に入ると日没が早くなり、車の運転にもより一層の注意が必要です。なかでも重要なのがライトの使い方。免許を取得する際に教習所で正しい使い方は教わっているはずですが、実際に正しい使い方ができていますか? このコラムで、車のライトの正しい使い方を今一度確認しておきましょう。
公益財団法人交通事故総合分析センターが2011年に交通事故の発生時間帯を調査したところ、もっとも事故が発生しやすい時間帯は夕方16~18時ごろであるとわかりました。その原因の1つとして考えられるのが、ドライバーのライト点灯に対する意識の低さ。完全に視界が遮られる夜間とは違い、まだ明かりのある夕方はライト点灯の必要はないと考えるドライバーが多くいるのです。
しかし、実際は夕方になると日中に比べて視界が悪くなるため、とっさの反応が遅れてしまいがちです。また、歩行者側からすると夕方にライトをつけていない車は視認しにくいため、飛び出しなどの原因をつくってしまいます。「自分が見る」だけでなく「自分(車)を見てもらう」ために夕方からライトを使用する意識をドライバーが持つことは、事故防止のために必須といえるでしょう。
ライトの正しい使い方については、道交法でも以下のように明記されています。
このように日没~日の出までの間は、たとえ周囲が明るかったとしてもライト点灯が義務付けられています。また、「政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあっても、同様とする」とあるように、夜間以外でもトンネルやアンダーパスを走行する際は、ライトを使用する必要があるため覚えておきましょう。
ライトを使用するうえでもう1つ注意しておきたいのが、道交法にも定められている「ハイビーム」と「ロービーム」の使い分けです。
道交法で定められている通り、ライトはハイビームが基本ですが、対向車が現れた場合にはロービームへ切り替える必要があります。対向車がいるにも関わらずハイビームのままにしていると、相手ドライバーの視界を遮ってしまい事故発生の原因をつくってしまうかもしれません。さらに、自分の車と対向車のライトの光が重なり合うところに歩行者がいると、消えたように見えなくなる「蒸発現象」が起こるリスクがあります。とくに歩行者が多い道路では、ライトの切り替えを忘れずに注意して走行しましょう。
・交通量の多い道路(市街地など)はロービーム
・交通量が少ない深夜はハイビーム
・山間部や郊外の道路はハイビーム
いかがでしたか? 最近では自動でライトの点灯をしてくれる「オートライト機能」を備えた車もありますが、機能に頼るだけでなく、一人ひとりのドライバーが「なぜライトが必要か」という意識を持つことが大切です。日が短くなるこれからの季節は、早めのライト点灯やこまめなライトの使い分けによって交通事故軽減を目指しましょう。