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5月16日は、文豪・松尾芭蕉が奥の細道に旅立ったことを記念して、日本旅のペンクラブにより「旅の日」と定められています。5月はGWがあるなど気候が安定した行楽シーズンであり、友人や家族とドライブや旅行にでかける方も多いでしょう。しかし、車に大人数を乗せた際の運転は、1人の時以上に注意しなければなりません。今回は、大人数でドライブをする際のポイントを紹介します。
大人数を乗せてドライブする場合、人数分重量が増すことで車のコントロールが難しくなります。そのため、スピードを出し過ぎると制御不能に陥りやすく、事故につながるリスクも高くなるでしょう。大人数が乗る車の運転における、具体的な2つの注意点を紹介します。
◎カーブ道の運転
大人数の運転で特に注意したいのが、カーブ道です。車がカーブ道を曲がる際は、遠心力によって車が外側に押し出されやすくなります。遠心力は、車の重量が増せば増すほど大きくなるため、慎重な運転を心掛けなければカーブを曲がり切れない恐れもあるでしょう。事故を回避するためにも、カーブ道に差し掛かる際にはスピードをしっかり落とす必要があります。
◎制動距離
カーブ道を曲がる際と同様に、多くの人が乗車する場合には車の停止時にも注意を払う必要があります。たくさんの人を乗せ、重量が増している状態では少人数での運転と比べ、車がブレーキをかけてから実際に停止するまでの間に進む「制動距離」が長くなりがちです。実際、日本自動車連盟(JAF)が「乗車人数の制動距離の違い」を実験した結果、以下の違いが明らかになっています。
車種 | 1人乗車の 制動距離 |
4人乗車の 制動距離 |
|
---|---|---|---|
軽自動車 | 28.3m | 30.3m | |
セダン | 26.9m | 30.6m | |
ミニバン | 27.2m | 31.5m | |
参考:一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF). 「乗車人数の制動距離の違い」 |
友人や家族など大人数でドライブや車旅行の際には、運転時の技術のみでなくいくつかのポイントを意識しておく必要があります。
◎適度な休憩
友人や家族との会話を楽しみつつドライブをしていると、普段と比べて疲労に無自覚となりがちです。そのため、たとえ自分では疲れを感じていなかったとしても、長距離運転の場合は必ずサービスエリアや駐車場で適度な休憩を取るようにしてください。また、もしも運転免許証を所持する人物が複数乗車している場合には、運転を交代することも一人ひとりの疲労軽減に役立ちます。
◎体調管理
大人数でのドライブや車旅行の場合、自分1人の時とは異なり簡単にキャンセルできないケースもあるでしょう。しかし、だからといって体調不良であるにもかかわらず、無理に運転することは禁物です。また、ちょっとした頭痛や倦怠感を解消するため、薬を服用しながらの運転も避けてください。もしどうしても旅行をキャンセルしたくないのであれば、友人や家族に体調が悪いと素直に打ち明け、運転を代わってもらう決断も重要になるでしょう。
◎飲酒運転の危険性
大人数での旅行では、普段よりも気が緩んでしまいがちです。そのため、旅先でお酒を飲んだ後、普段なら絶対しないような飲酒運転をしてしまうケースがあります。注意点として、お酒は飲んだ直後の運転が禁物なのはもちろん、一度睡眠をとった後でも体内に酒気が残っている場合は飲酒運転に該当します。
体内に残る酒量については、体質や体格によって異なるものの、成人男性(60kg)がビール中瓶1本を飲んだ場合、アルコールは3~4時間残るとされています。また、旅先でお酒が進み、ビール中瓶を4本ほど飲めば、約12~13時間後でも体内に酒気が残るでしょう。そのため、たとえ一晩睡眠をとったとしても、翌朝運転した場合は飲酒運転となるケースがあり、結果として重い処罰が下されることがあります。そのため、お酒を飲んだ場合にはしっかり時間を取り、完全に酒気が抜けた後に車を運転するようにしてください。
いかがでしたか? 友人や家族など大人数で行うドライブ旅行ではつい気が緩みがちですが、楽しい旅行を楽しいまま終わらせるためにも、いつも以上に慎重な運転を意識するようにしましょう。運転マナーをしっかり守り、楽しい時間を過ごしてください。