春から始まった新生活を機に車の運転を始める方もいるでしょう。運転において得意不得意はあるかもしれませんが、中でも「車線変更」を苦手と感じる方は少なくありません。初心者だけでなく運転に慣れていても車線変更を苦手とするドライバーは多いため、ここでいくつかのコツと注意点を把握しておきましょう。

上手に車線変更5つのポイント

◎移動先の車線との速度感を合わせる
車線変更において重要なのは、移動先の車線速度に合わせる意識です。移動先の車線よりも速度が遅すぎたり早すぎたりしてしまうと、車線変更のタイミングが計りづらいだけでなく、車線変更後に追突事故につながる恐れがあります。

そのため、走行中の車線よりも流れの速い車線へ移動する場合は、元の車線で速度を上げておく。遅い車線へ移動する場合は、速度を落としておくとスムーズな車線変更ができるでしょう。

ただし、運転に慣れていなかったり、不得意だったりする場合、走行中の車線で速度を変えるのは難しいかもしれません。その場合は、1度前後の車間距離を十分に空けてから、車線を変更するタイミングで速度を合わせてみましょう。

◎車線移動の3秒前にウィンカーを出す
車線を移動する際は、必ずウィンカーを出さなければいけません。また、道路交通法第21条において、「運転者は、同一方向に進行しながら進路を変える場合には、その3秒前に合図を行う」と定められており、車線変更の3秒前にはウィンカーを出す必要があります。

車線変更の直前などウィンカーを出すのが遅い場合、周囲の車が対応しきれず追突事故などの大きなトラブルにつながる恐れも。周囲に車線変更の意思を明確に伝えるためにも、ウィンカーを出すタイミングは常に意識しておきましょう。

◎車線変更前には真横を目視で確認
車線変更の際にウィンカーを出したら、必ず周囲の安全確認を行ってください。まずはルームミラーで後方を確認し、それから移動先の車線に面したドアミラーでも後方をチェック。最後に、ミラーでは死角となりそうな部分を目視で確認してから車線変更を行います。ドアミラーやルームミラーでの後続車の写り方で、おおよその車間距離をつかんでおきましょう。焦って確認を怠ると事故につながるため、落ち着いて周囲の安全をチェックしてから車線変更に臨むことが大切です。

◎ウィンカーを消す
車線変更を終えた際、忘れがちなのがウィンカーを消すこと。車線変更では大きくハンドルを切らないため、ウィンカーが自動で切れないケースも少なくありません。ウィンカーを付けっぱなしで運転していると後続車に余計な混乱を生じさせてしまうため、忘れずに消しましょう。

◎交通経路の事前把握
移動したい先の車線で車が途切れず、予定通りに車線変更ができないケースも考えられます。その際、焦りが生じてしまうと注意力が散漫となり重大な事故につながるリスクも。こうした事態を防ぐためにも、あらかじめ経路を把握しておきましょう。事前にルートや通る道がわかっていれば、車線変更をすべきタイミングも把握でき「必要なのに車線変更ができない」といったトラブルも避けやすくなります。

車線変更をする際の注意点

◎トンネル内での車線変更は危険
道路交通法第30条において、車両通行帯が設けられていない場合はトンネルでの車両追い越しが禁じられています。追い越しを目的としない車線変更であれば問題はありませんが、通常の道路と違い見通しが悪いためトンネル内での車線変更はできる限り避けましょう。

◎強引な割り込みは禁物
車線変更をする際、無理な割り込みは禁物です。わずかな隙間を狙った車線変更は、前方車や後続車と接触し重大な事故につながる恐れがあります。車線変更を行う際は、必ず前後に十分な車間距離があることを確認しましょう。

◎車線変更では車の後ろに入る意識を
車線変更する際は、車線変更先の並走車や後続車の後ろに入ることを意識しましょう。並走車や後続車の前に入ろうとすると、強引な加速が必要となり大きな事故につながりかねません。車の後ろに入る意識を持っていれば、無理に加速せず落ち着いた車線変更が可能です。

いかがでしたか？　車の運転中は車線変更が必要な場面も多々ありますが焦りは禁物。重大な事故を引き起こさないためにも、今回紹介したポイントを参考に、安全を優先した車線変更を心がけましょう。